はじめに
私たちは2011年3月に始まった福島第一原発事故の重大さを認識して、それ以降、被ばく防護を喫緊の課題として、いのちを守る暮らしの方向性を模索してきました。放射性物質の長期にわたる避けがたい被害は、すでに公然とした事実であり、日本全国はもとより世界レベルでこの問題と対峙していかなければならないと私たちは考えています。
広島・長崎原爆投下や核実験、原発稼働による長年の放射能被害を経験してきた私たちは、その被害にあったいのちが、苦痛によって指し示した被害の事実を認識しなければなりません。もちろんこれまでは国を挙げて放射性物質に対する防護は厳重になされてきたと私たちは認識していました。
ところが福島第一原発過酷事故発生後は緊急事態宣言が発令され、放射性基準値が大幅に緩和されましたが、その後5年たっても緩んだ基準値はそのままであり、そのゆるんだ基準値の元での帰還が叫ばれています。緊急事態宣言を解除できない状況でありながら、又、更なる放射性物質の放出もありうる状況でありながらの帰還促進に、私たちは強く異議を唱えます。
しかし、放射性物質の被害は、感覚でとらえがたいものであることから、環境への多量の放射能汚染を「除染」という対処療法によりごまかし、人々に変わらぬ日常を営ませ、累積する被ばくを忍従させているのが現状です。チェルノブイリ事故の教訓から、放射線由来と認められている小児甲状腺がんの大量発生さえ、そうと認めない福島県のやり方のために、福島県内では、種々の健康被害に関しても放射能被害との関連を声に出すことができない異常な状況となっています。
その理不尽さと危険性に気付いた人々にとって、そこで暮らすことの苦しみは、やがてその被害を受けることに勝るとも劣らない精神的苦痛となり、二次三次と多次元にわたって原発事故による被害は重積していく事になるでしょう。
しかし、放射能被害を避ける為の避難移住にも何重もの障壁が目の前に存在し、それらを一つ一つ越えることと、越えてからのさらなる苦難には何らかの支援がなくては容易には実現できないものです。その支援は、本来、国・東京電力・地方公共団体等が責任をもって行うべきですが、現在の状況の中で支援は全くありません。その中で人々は果敢に抵抗し、多くの裁判が闘われ、「福島では由々しき事態が進行している」という認識も確認されつつあります。
そのような理由から、今現在、避難移住支援は民間の努力によるしかなく、私たち一般社団法人リボーンは、放射能被害を避けたい人々を、少しでも助けたいと設立しました。避難生活を少しでも確かなものでできるようと多岐にわたる支援を工夫して、リボーン定款に基づき以下のように事業を運営する事としました。私たちは、リボーンを利用する人と利用者を助けたい人ともに、いのちを守る暮らしの道を創る努力をしていきます。
事業運営の形態と内容
理事と社員で運営する。
運営相談する場として定期的に上記のメンバーで運営会議を開催し、以下の事業に関して詳細を決め、実行する。
1.広報・受付
(ア) 避難移住者・避難移住希望者・支援者等にリーフレットを手渡し、顔
の見える関係を大切に広報する。資金の確保にともないHP等で広報。
(イ) 受付け窓口
・リボーン携帯番号 090‐3611‐0162(後藤)
・リボーンメールアドレス reborn.himeji●gmail.com
・福島支部/窓口 024-933-1670(イノカフェ 横田)
メールアドレス cafeplus.k●gmail.com
※メールアドレスは●を@に変えてください。
(ウ)記録
・受付けた人は、面談を通じて利用名簿に記録し保管する。
初めての相談…被ばくに対する不安、家族、知人間の葛藤、健康問題、被曝防護の方法、子育て等相談等含む。
・下記支援を希望する人には利用申込書を記入してもらい保管する。
2.支援内容
(ア) 家族間での放射能被害の説明・アドバイス
現状での不安や悩みを聞き、家族や周りとの問題へのアドバイス等
(イ) それぞれの状況に応じた計画を立てる
被ばく防護に向けてのステップを含め、状況に応じて必要なサポート
(ウ) 避難移住につながる保養体験
光円寺での保養受け入れ
(エ) 希望地のサポートグループ作り→中長期計画
※保養受け入れグループなどを介して、避難移住の支援をするチームを作り、居住環境を整備する支援をする。
(オ) 引っ越しサポート
準備の交通費支給(一人分)→領収書保管
引っ越し代金補助20万円→交付領収書保管
(カ) 移住後の生活費貸与(無利子)
生活資金貸与→借用書保管・引き続き定期的返済サポート
※突発的な必要費用の補助→交付領収書保管
※自立のために資格取得などに関する費用助成→交付領収書保管
(キ) その他関連する内容
※は必要に応じて、可能な範囲を運営会議で相談して取り組む。
3.姫路での取り組み
姫路市にリボーンの拠点を置く。
拠点の役割
(ア) 事務所
(イ) 姫路近辺に移住を希望する人の下見等のための短期の滞在場所
(ウ) 移住者自立サポートのための仕事創造の試み→惣菜等の販売・スタンドカフェなどを計画→資金減で中断
基金及び会計
1.基金の募集
・1.2の運営に関する経費を賄うため、一般より寄付を募集する。
送金口座 ゆうちょ銀行口座 シャ)リボーン14380-87617511
・募集のための資料を広報→HP
2.会計事務
・上記口座、小口現金の出納を管理し、必要書類を保管する。
・返済に関する確認報告を行う。
・年度末会計報告
3.給与・施設費
・事務・会計・広報・相談窓口業務・面談等、担当者への給与を支給する。
・施設費 姫路事務所と福島支部への経費を支払う。
いずれも2019年度まで実施。
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